徒然草は「貧しい」とは衣食住と医療(薬)が十分に得られない状態であり、それが得られていれば「富んでいる」と書いています。そしてこれ以外を追求できるのを「贅沢」というらしいです。そしてつくづくと一年を暮らすだけでも、このうえなく長く安らかな人生だと言えると記しています。徒然草を読むと、それほど贅沢はできないものの、自分は富んで安らかな生活を送っているんだなと思います。その幸せを感じつつ、日々の生活での新しい発見について書いていきたいなと思います。


**ハンガリーデイリーニュース**

May 30, 2022 ほぼ事務員

大学に籍はあるけれど、仕事のほぼすべてが事務作業。今日は職場で研究公募があり、学長局(オンライン)でその説明会があったのだけれど、最低3つの学部の教員がチームとなり、docens以上の人がリーダーシップを取る必要があると言われ・・・ちょっと無理かな・・と思ってしまった。結局また事務仕事に・・

May 29, 2022 子どもの日

5月最後の日曜日は子どもの日。ちょうど息子のサッカーの試合があったので、老人ホームにいる義母も連れて、家族で試合を見に行った。ハンガリーのサッカーリーグは年齢別そして末端にいたるまで同じレベルでリーグ戦が行えるようになっていて、息子も自分のリーグでは有能感を発揮できているようだ。今日も3ゴールを決めて、ゴールランキングのトップをキープしている。携帯でゴールシーンをビデオに録り、韓国に留学している娘は日本の実家にもシェアをする。よい子どもの日となった。

https://youtu.be/XEwj8SFcKJU

May 28, 2022 危ない傾向

Betámadták az ELTE Tanító- és Óvóképző Karát egy érzékenyítő kurzus miatt

ハンガリーでは、大学院での行われていたジェンダー学のコースを禁止し、未成年者に対し「性の多様性」に関する情報を可視化することも法律違反にした。また憲法に「出生時の性は変更できない」「父親は男性、母親は女性」という文言も加えた。そんな中、今度は政府系市民団体が、エトヴォシュ・ロラーンド大学の幼児教育・初等教育教員養成学部で行われているジェンダーイデオロギーに関する自由選択科目の廃止を訴えてきた。現実問題として性の多様性は存在し、自らの性に違和感を持つ子供もいるだろう。教員はその事実を知り、どのようにその状況に対応すればよいのか知ることが必要だし、少なくとも知る権利はある。それを廃止しようとする動きは非常に危険だと思う。

May 27, 2022 入試

大学院の入試に試験官として参加。大学院のプログラムには言語学の授業が結構あるのだが、受験生の研究テーマを聞いているとここ数年、言語学に関するものが減少傾向にある。多かったのは歴史、翻訳、文学、社会学系のものであった。それで入試後、同僚とカリキュラムの修正の可能性についてすり合わせをする。カリキュラム変更は簡単なことではないけれど、停滞すれば腐ってくる。今後も議論を続けようということになった。入試の後、キャリア構築関係の授業を担当している非常勤講師の先生からの報告を受ける。日本語教育の世界でも「ライフキャリア形成」への注目が高まりつつある点を説明し、更なるカリキュラムの充実に向けての協力をお願いする。自分は管理職ではないけれど、自分の動ける範囲で学生にとってよりよい環境づくりを進められればと思う。

May 26, 2022 請求書

今学期新しく入った非常勤の先生より、大学に出すE請求書の作成方法について相談をもちかけられる。自分もほとんど経験がないので、E請求書を出すことが多い妻にアドバイスをもらいながら、記入方法について教えてもらう。まさに「教えることが最大の学び」である。

May 25, 2022 メール

試験期間が始まり、リモートで仕事をする時間が長くなった。当初の計画では今週は評価に課する書籍を読み、31日締め切りのハンガリーの学会の要旨を書く時間を取るつもりだったのだが・・・現実は、朝から晩までメールを書いている。ハンガリー語のメールは何回書いてもうまくならず、妻にネイティブチェックをお願いするため、効率も悪い。学生の研究計画書もまぜ全部読めていないし・・さすがにまずい気がしてきた。

May 24, 2022 誕生日

今日は妻の誕生日。息子が専門店で購入した石鹸とメッセージカードをプレゼント。夕方、近くの喫茶店でショートケーキを購入して、老人ホームのテラスで義母と家族で妻の誕生日のお祝いをした。義母はとても嬉しそうで、妻も誕生日によい親孝行ができたようだ。

May 23, 2022 人が住まなくなった家

昨年8月より空き家になっている妻の実家へ。前回寄ったのは11月だったので半年ぶり。換気ができていなかったり、冬の間、水が凍ってしまったりで、家の中も多少トラブルがあったけれど、最も驚いたのはアスファルトがしいてある門から駐車場の間に、アスファルトを突き破って草がたくさん生えていたことだ。門から車が入れるようにするために茂ってしまった草木を刈り、アスファルトをぶち抜いて生えてきた草をなんとか引っこ抜く。裏の畑はジャングルになってしまっていて、草を刈ろうとしたのだが、妻の実家にある機械ではどうしようもなかった。人が住まなくなった家はすぐ傷むというけれど、毎日の生活の中での細かいチェックの大切さというものが改めて感じさせられた。

May 22, 2022 アイデア

今週はいつもより忙しかったせいか、午前中はいつものように掃除をしたけれど、午後は体が動かずずっと横になりうとうとしていた。うまく食事がとれず体重も減ってしまっていたので、昼食・夕食もたくさん食べる。毎週掃除をしているときは日本のニュースを聞いているのだけれど、今日は日本のキラキラネームについての話をしていた。こういうニュースを聞くと「日本と違って、ハンガリーではこうだよな~」という思いが頭をかけめぐる。こういう日本のニュースをひろって、ハンガリーではどうか・・という話を書くのも面白いのかなという気がした。(やれるかどうかはわからないけれど・・)

May 21, 2022 さくらネットワーク

午後、国際交流基金でさくらネットワークの会議が開催された。他機関の同僚とはCovidで3年近く会っていなかったが、みなさんお元気のようだった。会議では各機関の状況や今後のハンガリーの日本語教育についての話し合いがなされたが、1つの大きなテーマは「世代交代」であった。あと5年もすれば他大学の教職課程を卒業した新しい先生たちも仕事を始めるので何とかなると思うけれど、若い世代を邪魔せず、でも何か役に立つような環境やリソースが残せればなと思う。

May 20, 2022 パーティー

今日で春学期の全ての授業も終了。ということで、2019年冬以来、久しぶりに学科の教員が集まって(みなで一品持ち寄って)パーティーを行う。全員参加とはいかなかったけれど、普段話ができない同僚とも話ができるのは嬉しい。来週からは試験期間。

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May 19, 2022 次につながるか

夕方、商工会の幹事の方が大学に来てくださり、キャリア教育を担当している同僚と話をする。現状としては日本学科の学生が卒長しても、日系企業に入社できるという保証はないとのことではあったが、気にかけてくださるということで、今後の交流について建設的な意見交換ができた。キャリア教育を担当している同僚が非常に熱心に動いてくれるので、入ってもらって本当によかったと思う。

May 18, 2022 航空券

3年ぶりに日本に一時帰国しようと航空券を購入したのだが、今日「キャンセルになった」と連絡があった。日付を変えればいいみたいだけど、変更間に合うのかな。

May 17, 2022 やってみたい勉強

「教授法II」の授業では、毎年、自分がやってみたい日本語の勉強をやってもらっている。毎年面白い発表があるが、今年も「今まで小説を1冊読んだことがないからチャレンジした」「地政学に興味があり新聞を毎日読んでみた」「務める語学学校用にことわざかるたの諺の解説文をFacebookに掲載してみた」「サラダ日記を紹介してみた」などなど、楽しい発表が並んだ。一方で「教授法II」では、ディスカッションや資料提示の面でできないことが多かった。来年の課題にしたい。

May 16, 2022 統計処理ができない

目標基準準拠テストの場合、結果が正規分布にならないのでいわゆる統計処理ができないことがわかりました。口頭試験の場合、その場での採点と後から録画を見直してつけた採点を比べたり、同僚にも採点してもらって比べたりするとより客観的にになるようです。じゃあ、実践研究でデータを出したいときはどうすればいいのかな・・・

May 15, 2022 日本語教育の役割

「海外の日本語学習者のキャリア形成」という論文には以下のことが書かれています。

海外の日本語学習者のキャリア形成

「海外の日本語学習者」は,「日本語教育機関において,外国語としての日本語を学ぶ外国人成人」だけではない。移動の時代において,移住や国際結婚などにより,「日本 / 海外」「日本人 / 外国人」という枠を超えた,世界で生きる人を対象としている。そのような世界市民の育成のためには,日本語教育は人の生を日本と海外で分断することなく,一つの連続した生としてみなし,それぞれの生の意味を見出す支援をしていくことになる。このためには,日本と海外の日本語教育,外国語教育,国語教育,教科教育の関係者が連携を取り,社会を形成する人の複言語教育とその体制を開発しなければならない。

このキャリア形成の中に「就職サポート」も入るようになれば嬉しいなと思います。(今はまだ「日本語を教える」そのものだけが日本語教育の範疇となっているような感じです。)

May 14, 2022 評価方法

May 14, 2022 評価方法

「目標と評価が一致することが大切」ということは重々に分かっているのだけれど、『日本語教育のための評価入門』という本を読むと、自分の授業では目標も評価も曖昧なままになっているという気がする。来学期に向けて目標と評価についてもう少し学ぶ必要があるなと思う。

May 13, 2022 知らなかった

本当に恥ずかしい話ですけど、アウトライン・プロセッサ(例えばTransno)とか、文献管理ソフト(例えばZotero)について全然知りませんでした。勉強しなきゃ。

May 12, 2022 SNS内容チェック業務

修了を半年伸ばす予定の修士2年生と話。夏休みの予定を聞いたら、日本語で書かれたSNSが規約に違反していないかチェックするアルバイトをするという。そういえば、同じ会社にもう何名もの推薦状を書いているのを思い出した。「日本でチェックすると人件費がかかるから、ここでやっているんですよ」とのこと。スラングが出てくると、そのスラングが規定に違反していないかチェックするようだ。知り合いの書き込みをチェックする可能性も0ではなく、守秘義務が大変そうだ。

May 11, 2022 再開

昨年8月1日に義母が大けがをして入院。車で往復8時間かけての義母と義兄の見舞い。病因8月16日に義兄の急死。葬儀の手続きをする妻のサポート、同時期に(主催)学会が2つ。学期突入後も、義母の見舞い、老人ホーム探し。やっと老人ホームが見つかり入居。空となった妻の実家の整理。国際交流基金の助成申請手続き(2つ)のうち1つが、窓口が学長局となり作業ばかりが増え進まない事務作業。後期に入る直前での同僚の死。国政選挙での与党の圧勝にも萎えたし、後期に入ったら入学希望者減少という現実。そして同僚の休職宣言。自主退学者からの(自分の授業に対するものも含めた)長い批判の手紙。たまりにたまった仕事。その間には、もちろん楽しいこともあった。東京オリンピックでは学生の頑張りもあり、日本の大臣より感謝状もいただいたし、専門家が教えるキャリア構築の授業もスタートさせることができた。家族旅行も何度も行き、誕生日にはレストランですごいケーキも出してもらった。娘は念願の韓国留学を果たし、現在もソウルで充実した毎日を送っている。そんな中、「ああ、これを書き留めたいな」と思うことは何度かあったけれど、書くまでには至らった。でも、また、たまに書こうと思う。